真夏のキャンプ&車中泊 6 雲海と御釜

2019真夏のキャンプ&車中泊

雲海と御釜

この日の最初の目的地は御釜だった。

蔵王に行くと決めた時から立ち寄ろうと話していた。

御釜へはロープウェイで行くのかと思っていたのだが、すぐ近くに駐車場もあり、車で行くことができる。

本当は有料道路を通るのだが、まだ朝の6時前。

入り口は無人で、無料で通行することができた。

既にたくさんの車やバイクがいて、我々と入れ違いに見学を終えて去っていく車すらあった。

駐車場に車を停めると、そこはまるで雲の上のようだった。

真っ白な雲と青い空が混じり合った水色をしていて、陽の光が射している場所は桃色に見えた。

駐車場から散策路を歩くと雲海の大パノラマが広がっていた。

ネットには、駐車場からすぐの場所にある展望台から御釜が見降ろせる、と書いてあったのだが、

案内板も見当たらず、どこが展望台なのかよくわからない。

左右の山の高い場所に向かって行く散策路があり、左手の道は登山ルートのように見えた。

もしや、あの山の上に展望台があるのだろうか。だとすると相当遠いのだが、、、

雲の上へ降りて行くような階段があり、その下に御釜が見えそうだったので行ってみることにした。

予想した通り、雲海の手前に御釜を発見した。

剥き出しの岩肌の所々には緑があり、白い雲海は眩しく輝き、少し陰になった窪みが湖のようになっていた。

この景色は見事だった。

御釜の水の色は光の加減で色が変わって見えるといい、エメラルドグリーンの写真が有名だが、我々が見たこの時には紺色に見えた。

だが、何度も言うようだが、何はともあれアブが凄い。

常に2~3匹、多いと5~6匹に追われ、落ちついて景色を見られたものではなかった。

鶯の囀りは心地良いのだが、それ以上に聞こえてくるのはアブの羽音、、、

この雲海の絶景よりも、しつこくアブに追われたときの羽音と、数カ所刺されていつまでも痛痒かった記憶の方が鮮明に記憶に残りそうだった。

9月まではアブの季節だというから、秋にまた来たいと思う。

雲海のない景色もまた良いのだろう。

ただ、ここも熊注意のため、秋は秋で冬眠前の熊に気をつけねばなるまいし、紅葉の時期はさぞ混み合うのだろう。

そんな話をしながら分岐点まで引き返し、今来た道とは反対側に歩いてみると、、、

御釜が眼下に見えた。

なんだ、こんなに近くからみることができたのか。

確かに展望台まで目と鼻の先だった。

この朝の気温は正確にはわからないが、薄手の長袖一枚でちょうどだったから20度を下回るくらいだっただろうか。

雲海ドライブ

雲海を堪能した後は、朝風呂に蔵王温泉へ向かうことにした。

これで終わりと思った雲海はまだまだ続き、下山は雲海ドライブとなった。

まるで雲に降りていくようなドライブウェイだった。

蔵王エコーラインは途中で山形県に入り、いつの間にやら雲海の下に出ていた。

草木や土の香りがして、鶯の鳴き声が爽やかに聞こえる。

軽快に走っている間はアブに悩まされる心配はないから、窓を全開にして森林浴を楽しんだ。

気持ちの良いことこの上なかった。

少し暖かくなったと思ったら、気温計は22度を指していた。

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