胡々里庵の蕎麦
磐梯吾妻スカイラインから続く山道を降りると、
いつのまにやら、以前にも何度か訪れたことのある高湯温泉に出ていて、安達屋や玉子湯の傍を通っていた。
そもそも我々が磐梯吾妻スカイラインの存在を知ったのは、ある冬に玉子湯を訪れた時のことで、
その時は冬季閉鎖中だったから「夏か秋に行ってみたいね」と話していたのだが、なるほどこんなに近かったのか。
山道を降り切る直前に、蕎麦屋の看板を発見した。
時間は15時。
お昼を食べ損ねていたため、入ってみることにした。
胡々里庵。
レトロな雰囲気で落ち着く店構えだった。
色々セットになった蕎麦の定食が人気のようだったのだがこの日は残念ながら売り切れていて、
我々は、辛味大根そばと天ぷらの乗った冷たいぶっかけ蕎麦を頼んだ。
うん、美味しい。
白くてコシのある喉越しの良い蕎麦だった。
辛味大根の方は二種類のつけ汁で頂くようになっていて、一般的なつけ汁と、辛味大根をおろした汁に味噌をとかしたつけ汁だった。
蕎麦湯も濃厚で、また近くを通ったら是非寄りたい。
考えてみると、今回の旅で食べた蕎麦は二軒とも外れなしの正解だった。
我々が最後の一組で、店を出ると「蕎麦売り切れ」の看板が出て営業終了になっていた。
時刻はまだ15時半だったのだが、毎日売り切れ次第店を閉めるスタイルのようだ。
飯坂温泉 波来湯(はこ湯)
福島の平地に降りてきてしまったため、真夏に車中泊が出来そうな、どこか標高の高い場所へ向かわねばならない。
考えた結果、蔵王へ行くことにした。
その前に、途中にある飯坂温泉の波来湯(はこ湯)に寄ってみることにした。
飯坂温泉といえば鯖湖湯だが、そことは別の共同浴場だ。
入浴料は一人300円で、新しいがこじんまりとした内湯のみの施設だった。
単純温泉だが掛け流しで、熱いという評判だったので立ち寄った。
湯船は2つあり、45度と、加水した42度。
温泉というものは、45度くらいが熱すぎずに入れて丁度良い気がする。
熱めの湯にさっと入って汗を流し、さっと出るのが気持ち良い。
蔵王エコーラインへ
国道4号を進み、国見からは東北道に乗った。
国見SAは仮設工事中だったのだが食堂は営業していたため、ここで早めの夕食を食べることにした。
喜多方ラーメンと牛タンスタミナ丼。
山には雲がかかり綺麗だったのだが、山の上は濃霧なのだろうか。
白石から蔵王エコーラインへ入った。
こちらも冬季には閉鎖になる山の上の道のため、レストランもコンビニすらもないのだろうと思ってSAで夕食にしたのだが、
山道に入るまでが長く、途中にはスキー場や温泉街があり、レストランや洒落たカフェなどが沢山あった。
キャンプ場なのか駐車場もあり、車中泊もできそうだった。
この辺りは日没前でも気温は24度と比較的涼しかった。
山道に入ると滝見台という場所があった。
この晩は蔵王の駒草平という場所で車中泊することに決めていて、日暮れ前に着きたかったため一旦通り過ぎたのだが、遠くに雲海が見えたため引き返した。
猿注意の看板があったが幸いにも遭遇はせず、展望台までは階段を少し降りるだけだった。
滝は向かいの山合いに見えた。
こちらが三段滝。
こちらが不動滝。
見事な展望が広がっていて、滝までは遠い筈なのに、滝を流れる水音がよく聞こえたのだが、、、
あれは近くの見えない場所にでもある、別の滝の音なのだろうか。
先程見えていた雲海は、残念ながら滝見台からは見えなくて、少し先の橋の上から覗いてみると、薄桃色の雲海が遠くの空を覆っていた。
道草をしてしまったため、駒草平展望台へ向かう途中で日が暮れた。
駒草平
ヘアピンカーブを何度もまがり、駒草平へ到着。
陽の名残りの白い光はまだ少し届いていたが、月明かりが意外に明るかった。
外に出てみると肌寒い。
携帯の電波は届かず、街灯も勿論ない。
綺麗なトイレが併設されているのだが噴石災害時の避難建物になっていて、窓は小さく電気もついていなかった。
駐車スペースはどこも坂道になっていて、傾いている。
夏でも涼しいのは良いが、決して車中泊向きとは言えない場所だった。
それでも我々含めて5台の車が停まっていて、天文観測の準備をしている人もいた。
日が完全に暮れると空には星が綺麗に見えて、遠くの街の夜景が見下ろせた。
月は益々明るく、そして何より寒かった。
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