ある年の夏休みに、屋久島を訪れた。
金曜の夜中に東京を出たのにも関わらず、盆の時期と各地で発生した事故のために高速道路は大渋滞で、中部地方を抜けるまでに一日半もかかってしまった。
その後も続くあまりの渋滞に嫌気がさし、急遽広島で高速を降りた。
市内で原爆ドームの横を走りつつ見学し、前から一度行ってみたいと思っていた宮島に立ち寄った。
海の上に建つ赤い回廊は、きっとパワースポットに違いない。
参道で売られている焼きガキとノンアルコールビールが溜まらず美味しかった。
目的の屋久島には鹿児島からフェリーで渡る。
車旅の魅力の一つは予定に縛られないことだ。
この旅でも、フェリーの予約は鹿児島への到着日が見えてきた広島でした。
夏休みのピーク期だったため、火曜のフェリーしか空いておらず、思っていたよりも時間が出来たため、道中にある高千穂に寄ってからいくことにした。
関門海峡を渡り、福岡から、佐賀-熊本を経由した。
九州一泊目は佐賀のSAで車中泊をして、翌朝の朝ご飯は鳥ごぼうのおにぎりを食べた。
途中の阿蘇では辛子大根を、お昼は高千穂でチキン南蛮、と、九州各地の名物を食べ歩いた。
高千穂ではボートに乗りたかったのだが、結局増水のために乗ることが出来ず、長い階段を上り下りするだけで疲れてしまった。
鹿児島に着いてから市内で温泉に入り、フェリー乗り場の駐車場で車中泊をしながら火曜の朝八時半発のフェリーを待った。
鹿児島から屋久島までは、桜島を横目に四時間の航路だ。
車と運転手一人分で往復39,000円。同乗者がいる場合は片道8,700円がプラスされる。
海に出ると二時間ほどで海が真っ青になった。
強い陽射しに海面がきらきらと反射し、デッキから覗くと、船の脇をトビウオが三尾短く飛び、後からもう一尾が長く飛んでいくのが見えた。
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