海へ出て街道を北上すると、すぐに三重県に入る。
しばらく走ると刺身、寿司の文字が見えたため、寄ってみることにした。
海鮮丼と鰤(ブリ)の昆布じめ寿司を頼んだ。
鰤のあらの入った漁師汁つき。
この辺りは秋刀魚寿司が名物らしい。
鰤も昆布締めがもっちりしていて美味しかった。
食事の後、同じ三重県にある片岡温泉を目指して更に北上した。
22時半に着いた時には強風で、気温は7度と寒かった。
片岡温泉は、様々な分野のデザイナーやプロが集まって出来たこだわりのデザイナーズ温泉で、入浴料600円。
湯も仄かな硫黄臭と滑り気のあるアルカリ性で、我々のランキングではかなり上位だったのだが、
今回久しぶりに訪れてみると、すっかり地元に溶け込んだ普通の温泉になっていた。
前回は、細部にまで拘りの行き届いた寛ぎの空間で、建物だけでなく、ライティング、香、ヒーリングミュージックなど、五感に働きかける癒しを感じたのだが、
今回行ってみると、デザイナーズの施設だけをそのまま残し、中身が大衆向けに変わっているような印象を受けた。
受付のスタッフも、たまたまたかもしれないが、前はにこやかでホスピタリティの人達だったのだが、今回は一般的な温泉施設の受付の人に変わっていた。
クレームでもあったのか、以前は流れていたヒーリングミュージックも、ホールに薄っすらと漂っていたアロマの香も、今ではすっかりなくなっていた。
地元に溶け込んでいるのは良いことなのだろうが、家族連れで賑わうため混雑しており、ほんのりとした温泉の香りは別の匂いで掻き消され、騒がしい話し声が飛び交い、寛ぎの空間ではなくなっていた。
掛け流し湯は変わらず良かったが、なんだか拍子抜けした感があり、以前とはすっかり雰囲気が変わっていたのは残念だった。
今回は空いていなかったため宿泊は出来ず、四日市から高速へ。
日付は既に変わっていて、行きに近くを通った際に続いていた渋滞は解消されていた。
この日も刈谷で車中泊。
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