熊野古道と一口に言っても、ルートが複数あった。
いつも通り大した下調べもなく、勿論ガイドブックを買っているわけもなく、何となく「中心」と書かれていた本宮へ向かった。
13時15分着。
本宮駐車場に車を停めるのにも行列が出来ていて、
昼食をとれる店が3、4軒と極端に少なかったため、そこでもまた行列だった。
角にあるうどん屋の列に並んだものの、しばらく待ったところで「後一時間待ち」と言われて別の店へ。
この辺りは食事をするには不便な場所らしい。
次回はお弁当持参が良いのだろうか。
ようやくお店に入ることが出来て、関西風のかき揚げうどんにめはり寿司のセットを頼んだ。
伊勢うどんは柔らかいが、熊野のうどんも負けじと柔らかかった。
透明でしっかりした味の出汁、塩味のきいたかき揚げ、名物のめはり寿司(高菜で包んだおにぎりのこと)と、どれもなかなか美味しかった。
食事の後で本宮でお参りをすると、時刻は14時半になっていた。
我々はアップダウンの少ない初心者コースを歩くことにしたのだが、
既に時間もなくなってきているため、最初のポイントである三軒茶屋で折り返すことにした。
それでも片道40分、丁度良い軽い運動になるくらいか。
ところが、いざ向かおうと思うと、古道への入口がわからない。
地図も出ていないし、ネットで調べても入り口がどこにあるのかは見つけられなかった。
階段を降りたり登ったりして道に迷った末、地元の人に声をかけ、二人目でようやく教えてもらえた。
本宮の手前を右に通り抜け、そのまま一般道を道沿いに歩いて行くと熊野古道だった。
熊野古道と言っても最初の方は舗装された道で、両脇に民家の立ち並ぶ普通の町中に「熊野古道」と書かれた看板が出ているだけだった。
階段を上がり、地元のお墓を通り越すと、ようやく林道に辿り着いた。
古道の趣漂う杉林の中の道だった。
杉の清涼な香り、程よいマイナスイオンに囲まれる。
古い石畳が敷かれた場所もあった。
気持ちが良いと言って深呼吸しながら歩くこどらとは裏腹に、
花粉症の身にはこの杉林、、、かなりの試練だ。
マスクをしていても鼻水が止まらずクシャミを連発。
見えない強力な敵と戦いながら歩くことになる。
鶯が、まだ不慣れな鳴き声で声援を送ってくれた。
初春の鶯は、久しぶりでまだ鳴くことに慣れていないようで、うまく ホーホケキョ とは鳴けないのだ。
三軒茶屋に到着すると、おばあちゃんが紀州梅を売っていた。
昔ながらの酸っぱい梅干しが好みの我が家、、、迷ったのだが、今回は買わずに引き返すことにした。
古道の下を一般道が走っていた。
杉林の間を歩くのはそろそろ限界なので、帰りは一般道を歩くことにした。
下道の田舎道はいつも車で通りすぎるだけだから、今回が初めて自分の足で歩いたような気がする。
外からみると、杉林が花粉を飛ばす前の茶色い色をしていた。
あの真下を歩いていたのだから、酷い花粉症の症状が出ていたのも頷けた。
道端の花を見ながら歩く。
和歌山らしく、川べりに柑橘系の木が自生していた。
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