佐久に入ると、県道93号は更にくねくねの山道になった。
道脇の松や高い木々の合間から木漏れ日が眩しく、途中の湖は凍結していた。
湖面は白と薄い水色掛かったグレーという冬の色で覆われているが、
春を思わせる陽射しのせいか、不思議と寒々しさは感じなかった。
この道は川沿いを走っているらしく、道脇に時折清流を眺めながら進んだ。
水が澄んでいて清々しく、所々で川底が岩板状になっているように見えるのが珍しかった。
写真を撮り損ねてしまったが、緑系の御影石のタイルがあるが、そんなイメージだ。
お昼には、ほっとぱーく浅科という道の駅で浅間丼なるものを食べた。
旅の間は、なるべくご当地名物や地物を食べるようにしているため頼んだのだが、
所謂唐揚げ丼で、がっつり系で量も多かった。
こどらは鳥天の甘酢あんかけを食べていたが、そちらの方が我々好みだった。
あまり知られてはいないようだが、長野のお米はなかなか美味しい。
食後に、近くにあるみどりの村で温泉に入った。
佐久の温泉は良くも悪くも普通であまり特徴はない印象だ。
入浴料一人500円のアルカリ性塩化物泉。
無色透明、循環。
目的は頭を洗ってサッパリすることだったので、目的は達成できた。
実はここから一時間程で別の温泉に着くのだが、そこにはシャンプーなどの備え付けがないらしいからお湯を楽しむだけになるし、
この旅では三回温泉に入りたいため、朝風呂が午後にずれ込んだ感覚だった。
陽が傾き始めた千曲川は幻想的に見えた。
16時過ぎに目的地に到着。
前に買った信州の温泉本に載っていた戸倉観世温泉。
入浴料は一人300円。硫黄泉で、弱アルカリ性。
昭和の香りがする温泉銭湯で、真ん中に番頭さんが座っていた。
湯は二種類の源泉かけ流し、緑色で透明だ。
浴室に入ると硫黄の匂いが漂い、シャワーや蛇口から出る湯も温泉のようだった。
本によると、入っている間に肌がツルツルに変化するのがわかる、とのことだが、流石にそこまでは感じ取れなかった。
ただ、香り良し、風情良しで、体も温まる。
湯上りは噂に違わず肌がしっとりとしたため、良い湯であったことに間違えはない。
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