吾妻温泉桔梗
先週土曜は夕方に東京を出て、閉館ギリギリの吾妻温泉桔梗に行ってきた。
龍神温泉で看板に書かれていた日本三美人の湯の1つが群馬県の山中温泉だったのだが、宿泊施設だけで日帰り温泉がない。
山中温泉は吾妻峡温泉の一部をそう呼んでいるようだったから、同じ吾妻郡東吾妻町にある日帰り温泉に行ってみた。
よく訪れる小野上温泉さちのゆの川を挟んで少し先にある。
ヌルヌル温泉好きの我々が気に入っているさちのゆはいつも混んでいるが、桔梗館は、ネットの書き込みによると地元に愛され、空いていて寛げる温泉施設とのことだった。
到着したのが20時過ぎで、地元の人が3人程いただけだった。
入浴料は500円だったが、6時半以降だったため400円に割り引かれていた。
車から降りた瞬間に思わず深呼吸をした程、自然の良い香りがして、
施設のスタッフも感じがよく、内湯の天井には太い梁が通り雰囲気も良い。
湯はアルカリ性塩化物泉pH8.89。掛け流しを加温しているようだ。
残念ながらヌルヌル感はないが、肌触りは滑らかでサラサラ。柔らかいのにさっぱりする。
内湯には仄かな木の香りと油系の温泉の香りがほんのりと立ち籠めていた。
油系といっても嫌な匂いではなく、爽やかな香りだ。
内湯は熱めだったが、露天はぬるめ。
ひんやりした澄んだ外気と、なんとも気持ちの良い湯の組み合わせは絶妙で、いつまででも入っていられるような気がした。
湯上りに駐車場へ降りると、川のせせらぎが聞こえ、暗闇にひっそりと桜の木の影が浮かんでいた。
湯上りには肌がつるつるになり、時間が経てば経つほど滑らかになった。
この晩は渋川に戻り、おのこの道の駅で車中泊をすることにした。
伊香保温泉
翌朝は8時前に起床。
天気曇、気温5度。
道の駅の目の前にあるファミマで朝ごはんを買った。
コンビニの隣では地元で採れたての新鮮野菜を売っていたため、覗いてみた。
立派ななめことブロッコリーを買ったらほうれん草をおまけして貰えた。
最近では昔ながらの八百屋さんで野菜を買うこともすっかりなくなってしまったから、懐かしい気分になった。
春野菜は出ていなかったが、それもそのはず、群馬はまだ冬だった。
寒々しい冬景色の中、ロマンチック街道を伊香保へ向かう。
今回の朝風呂は伊香保の露天風呂。
駐車場に車を停めて川沿いを少し歩く。
9時からやっているのかと思ったら、三月はまだ営業時間が短く、10時からだった。
露天風呂に続く道の入り口では温泉が飲める。
鉄と薄い塩味がしたが、そこまで不味くはなかった。
温泉の営業時間まで、まだ一時間近く時間があったため、石段を見に行った。
伊香保は古い温泉街で趣あり、なかなかの風情だ。
一軒の温泉饅頭屋さんの前には行列が出来ていた。
チラチラ雪のようなものが舞ったような気がしたが、気温は9度だったので幻だろうか。
一回りして戻ると、営業開始の15分前だった。
伊香保の露天風呂の脇には間欠泉がある。
露天風呂は10時少し前にあいた。
一番乗りの時間帯は空いていた。
入浴料は450円。
野天風呂とも言えそうな本気の露天風呂で、自然の中に壁で仕切られているだけの施設だった。
脱衣所も外で洗い場もない。
開放的で、時代が巻き戻ったような不思議な空間だった。
湯は白濁でトゲトゲしい。
さっぱりするのだが体力を奪われるような荒々しさがあり、肌はカサカサになった。
とはいえ里山の自然の中での入浴には癒しがある。
自然そのままの寒さと湯の熱さのアンバランスが気持ち良い。
目を閉じると、川の勢いよく流れる音や鳥のさえずりが聞こえてきて、
すぐ脇からは、ちょろちょろと温泉が湯船に注がれる音がする。
鉄分を含んだ湯の香りも温泉情緒を掻き立てる。
我々と入れ違いに続々と人が入ってきていた。
帰路
伊香保を出ると太陽が顔を覗かせた。
高速に乗って早目に帰り、バイクで出かけることにして帰路についた。
途中の高坂SAで、混む前にと早目のお昼を食べた。
食事の後に車に積んである椅子を取り出し、
駐車場の傍に持っていって、タリーズのコーヒーを座って飲んでみた。
備え付けのベンチの横で自前の椅子に座るというのも、なかなか乙なものだ。
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