夏の森林浴は長野で-後編

ディフェンダー

白駒池ともののけの森

日曜の朝はこどらの両親宅を早目に出た。

10時前に中央道に乗れば混み合う前に通り抜けて、お昼過ぎには東京に帰れる気がしていた。

車を走らせてすぐに

「じゃあこのまま高速に乗るよ?」

とこどらに声を掛けると、乗り気ではない返事が返ってきた。

「なんか緑が足りない

と言う。

このまま帰れば時間的にも体力的にも余裕なのだが、確かに何だか物足りない。

ということで、下道を秩父へ抜けて帰ることにした。

長野と秩父の間の下道といえば中津川林道だ。

調べてみたら暫く閉鎖されていたのだが、今は通れるようになっていた。

まずは国道299号メルヘン街道を通り抜け、山へ登ると空気が一気に涼しくなった。

麦草峠は標高2100m。

駐車場があったので停めてみると、遊歩道の案内板に「白駒池」と書いてあったので行ってみることにした。

我々、てっきり車を停めた場所が麦草峠と思っていたら、実はまだ麦草峠の手前で、遊歩道で麦草峠まで歩けるようになっていた。

麦草峠にも駐車場があり、レストハウスのようなものがあった。

そこから更に遊歩道を歩いて白駒池へ行くようだ。

高山植物保護のネットを潜り抜ける。

鹿だろうか、獣の足跡があった。

涼しくて草木の香りが芳しい。
空にはトンボが飛び交っている。

森林浴をしながら気ままに歩いていたのだが、ふと気が付いた。

まだまだ白駒池は見えてこないが、道はどんどん山深くなっている。

でもどうやら車道と並行して進んでいるようで、車の行き交う音がする。

これは恐らく、白駒池の近くまで車で行けるに違いない。

怠け者の我々、引き返して車で先に進むことにした。

案の定、車を走らせるとすぐに白駒池の駐車場が出てきた。

こちらは人気の観光地のようで駐車場も広く、しっかりとしたレストハウスが備わっていた。

駐車場は有料で500円。
満車に近く、沢山の人で賑わっていた。

駐車場からは整備された板張りの遊歩道を歩いて湖まで散策する。

もののけ姫にでも出てきそうな苔生した原生林が続いていた。

先ほどの麦草峠からの遊歩道をそのまま歩き続けていたら、ここに到着するまで1.1kmあったようだ。

目的の白駒池に到着。

こんなに沢山の人がいて、三脚を抱えたカメラ好きらしき人も沢山いたから、一体何があるのかと期待したのだが、特には何も見えなかった。

キャンプ場があったのだが、森林の中でのキャンプとは珍しい。

木の板の上にテントを張ることができるようになっていた。

中津川林道

車に戻るとお昼前になっていて、お腹が空いてきた。

今から山道と林道に入るため、麓のコンビニで買い込んでおいたおにぎりを食べながら先を急ぐ。

南北村を抜け、川上村へ入ると気温は21度だった。

この辺りは畑が広がっていて見晴らしが良く、トラクターが稼働していたりと、なかなか絵になる道だった。

県道68号は意外にも車通りが多く、大きなトラックと頻繁にすれ違った。

三国峠を目指して狭い山道を行くと、雨が降り始めて、水が道の上を川のように流れていた。

ライダーにも人気の道だけあってバイクと行き合ったが、意外に対向車もいたりして通行注意だ。

三国峠は小雨が降り、深い霧に包まれていた。

ここから秩父へ抜ける道が、舗装されていない林道になる。

霧で景色が見えないのが残念だが、その代わりに幻想的な世界観があった。

↑写真は中津川林道を走るディフェンダー。

林道は秩父へ差し掛かり、三国峠から1時間程で一般道へ出た。

秩父からの下道が怠いのだが、混み合う街道を避け、山伏峠を青梅へ抜けて返ってきた。

ここも気温23度と涼しい道だった。

諏訪を朝出て夕方に自宅に着いたため、時間は掛かったのだが渋滞には遭うこともなく、猛暑も避けられたし、予想以上に楽しい帰路になった。

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