いつもを知らない我々だったが、三年前の年末年始よりは、明らかに雪が少なかった。
雪が積もっていると滑り難いが、雪が少ない分、各地でアイスバーンになっている。
スケートリンクのようにツルツルだ。
そのせいか、地元民ですらあちこちで事故を起こしていた。
千歳を抜けてからは道の両脇に雪が積んであった。
北海道の雪は片栗粉のようで、踏みしめるとキュッキュと音が鳴る。
車がパウダースノーを巻き上げて、白い雪煙がうねりながら地面を這う。
日が暮れて粉雪が舞うと、車のライトに照らされてダイヤモンドダストのようにキラキラ輝く。
途中で雪が激しくなり視界が真っ白になった。
ホワイトアウトだ。肉眼では1m先も見えない。
カメラを通すと先が見えるため、助手席でこどらがカメラを覗く。
僕はナビと前を行くトラックのテールランプを頼りに感覚で走る。
美唄市を超えると氷点下7.9度に下がっていた。
トラックが思ったよりも早くて、置いて行かれないように必死に後を追った。
ふと、トラックが速度を下げて道を譲ってくれた。
仕方なく追い越すと、急に視界が開けた。
なんと、さっきまでのホワイトアウトは、ずっと必死に後を追っていた、このトラックから発生した雪けむりだったのだ!
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