随分時間が経ってしまったが、前回、ポルシェエクスペリエンスセンターに行った、という記事を書いた。
今回はその続編で、ドライビングレッスンの体験記を書きたいと思う。
概要
前回も書いてはいるのだが念のため。
今回乗ったのは718ボクスターGTS4.0。
シルバーのボディーにネイビーの幌。
2シーターのミッドシップオープンカーだ。
建物を出てすぐの場所から乗り込んで、ドライブレッスン開始。
体験できるエリアは下記の通り。
- ハンドリングトラック
- ローフリクションサークルトラック
- キックプレート(まだ整備中で2022年2月時点ではまだ未完成)
- オフロードエリア
- ダイナミックエリア
- ローフリクションハンドリングトラック
90分の間に、自分の好きなエリアでのドライビングレッスンを受けることができる。
外周路
まずは車に慣れるために、ハンドリングトラックと言われる外周路を走る。
一周2.1キロのサーキットのようなコースでかなりのアップダウンがある。
このコースのうち2ヶ所が、世界的に有名なコーナーを模して作られており、一つ目がニュルブルクリンクのカルーセルで、二つ目がラグナセカのコークスクリューだ。
最初の1周はだいたい60キロ前後で走流ように言われるが、2周目からは最高100キロ前後で走ることができる。
ただし、サーキットのように見えるがここはあくまでもハンドリングトラックということで、追い抜きは禁止だ。
イメージ的には少し早めに走る伊豆スカイラインのような感じだろうか。
ここでは各コーナーにいかにスムーズに入っていけるかというドライビングテクニックを習うことができる。
目的としては、同乗者にいかに不快な思いをさせない運転ができるか。
自分は今回プロから指摘され、コーナーの先に目線を置いて、早くイン側に入りすぎないように気をつけるなどの目線の移動の仕方を学ぶことができた。
普段、頭ではわかっているし、やっているつもりだったのだが、、、まだまだ修行が足りなかったようだ。
ローフリクションハンドリングトラック
次に行ったのがローフリクションハンドリングトラック。
ここは路面がツルツルに磨かれており、アンダーステア・オーバーステアとハンドルやアクセルブレーキとの動きの関係がよくわかるエリアだ。
ここで感覚を掴むと、車の基本的な挙動がよくわかる。
コーナー手前で加速して、アクセルオフと同時にハンドルを切り込むと前荷重になり、フロントタイヤのグリップが増えて車体の後ろがスッと滑りオーバーステア状態になる。
逆にハンドルを切った状態で無理にアクセルを踏むと前輪が外側に逃げてアンダーステアとなる。
路面の両端が鋭くなっているため、路面から外れるとタイヤを傷めてしまうので注意が必要なのだが、PSM(ポルシェスタビリティマネージメント)は常にオンのためにスピンをするようなことはない。
加速してアクセルオフ、オーバーステアで向き替え、再び加速とリズミカルに走ることが出来ると楽しい。
ローフリクションサークルトラック
ローフリクションサークルトラック(ドリフトサークル)は、磨き上げられた路面に水が撒かれており、いわゆる定常円が体験できるところ(上手く出来れば、の話だが)。
路面はアイスバーンのような感じだが所々ミューが異なるようで滑るところとそうでもないところが混在する。
初めはPSMオンのままハンドルの切角を一定にして徐々にスピードを上げてみる。
すると、あるところでいきなりクルッと180度弱ぐらい回る。
いくらスタビリティコントロールが効いていてもタイヤの物理的な限界を超えたらスピンしてしまうのがよくわかる。
次に滑り始めたところでカウンターとアクセルコントロールをするようにするが、今度はアクセルを踏んでもPSMが働き空転が止まってしまうが、スピンはしない。
徐々にPSMの効き具合を弱くしていく、最後は完全オフ。
今回乗ったボクスターのGTS4.0、エンジンのレスポンスがすごくアクセルを踏んで後ろを出そうとするとどうしても踏み過ぎてしまって一気に回ってしまう。
そこで、先ほどのローフリクションハンドリングトラックで学んだ、アクセルオフで後ろを出す方法でやってみると幾分後ろの出る速度がマイルドになり、その瞬間にカウンターとアクセルコントロールをすると少しドリフト状態を維持できた。
ここのエリアに入れるのは一回につき一台だけのため、混んでいるときは3分ほどで出ないといけない(その後再び並んで何回も行うのはOK)が、この日は参加者が少なくずっと練習をすることができた。
その甲斐もあって、最後の方は一周以上ドリフトを続けることができた。
中には90分間ずっとここでドリフトの練習をしている人もいるようだが、もちろんここはドリフトを習得するためだけのエリアではなく、雪道などでもスライドをコントロールすることができれば安全走行が可能になるということは言うまでもない。
ダイナミックエリア
ダイナミックエリアでは急加速・急制動、スラロームが体験できる。
乗った車はPDK(ツインクラッチタイプのAT)だったのでローンチコントロールを使った発進を試すことができた。
モードをスポーツプラスにして、ドライブに入れた状態で左足でブレーキをしっかり踏み、右足でアクセルを全開にすると、エンジン回転が4500ほどで固定されてブレーキを離すと最大限の加速をしてくれる。
GTS4.0は排気量4リッターの自然吸気水平対抗エンジンで400馬力あるため、目が追いつかないほどの加速を味わえた。
また急制動は、エンジンがミッドシップで後ろにあるからか、ノーズダイブは少ないが逆に若干後ろがムズムズと左右に振られる感じがした。
総評
初め、90分で6万円という価格帯を高いと思っていたのだが、実際に来てみると、普通では体験できないような内容をプロにマンツーマンで教えて貰え、しかもポルシェの最新の車で体験できるため、費用対効果が高いのではないかと思う。
とはいえ値段が値段だけにそうしょっちゅう来れるものでもないのだが、機会があればまた来たいと思える施設だった。
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