高い雪の壁
帰り道は行きとは違う道を選択した。
同じ道を通るのは勿体無い気がするし、面白味もないため、いつも極力違う道を通ることにしている。
走り出してすぐに、高い雪の壁に閉ざされて行き止まりになってしまった。
除雪がされていないため、これ以上先へ進むことが出来ない。
引き返して別の道を行く。
十字路までバックしてUターンしたが、こちらの道も、除雪してから雪が積もり、そのあとは車も人も獣さえも足を踏み入れていなかった。
ディフェンダーのタイヤの跡だけが真っ白な雪の中に残った。
この辺り全体が雪の壁に覆われ、吹雪いてもいるため、視界が真っ白で道がよくわからなかった。
車の中からの視野は、少し走るとすぐにこんな感じになってしまう。
3速30kmで走行した。
そんな中で実感するのは我が愛車、ディフェンダーの走行性能の高さだ。
雪の急坂もぐんぐん登り、雪が盛り上がっている場所も軽く乗り越えて、何の問題もなく余裕で走ることができることには惚れ惚れとしてしまう。
大寒波はまだ続き、雪は降り続いていて止む気配はまるでなかった。
雪はサラサラしているが重さがあるため、電線は切れそうになっているし、木はしなって垂れ下がっている。
トンネルの中は氷むき出しのアイスバーンで、スケートリンクそのものだった。
午後16時半の時点で氷点下7度。これからまだまだ下がる予報だ。
日没後もしばらくは雪のせいで明るかった。
山形の回転寿司
47号線で酒田へ向かう。
風が強い。
この晩は酒田で夕食をとることにした。
美味しい地物を食するにはそれなりのお金が必要だ。
普段、旅での食事は一期一会、ケチらないことにしている我々だが、この晩はまだ運転が残っているためお酒も飲めない、、、
今回は、気軽に地物が楽しめる、地元の回転寿司に入ることにした。
栄助寿し。
ネタは新鮮で、普通に美味しくて、珍しい魚も楽しめた。
頼んだのは、かながしら、おこぜ、黒鯛、そい、鱈の白子、などなど、、、
魚のお味噌汁はセルフサービスの無料だった。
大雪の日本海
食事の後は国道7号を南下した。
日本海近くは積雪はそれほどでもないのだが、風が強いために地面の雪が舞い上がり、降る雪に混じって吹雪いていた。
フロントガラスが凍って見えなくなるのを、時折止まっては叩き落としながら進む。
店も住宅も何もないところで、人が車道を歩いていて驚いた。
氷点下の中で、渋谷にでもいそうな服装で歩く若い男性だった。
雪国あるあるなのではないかと思うのだが、、、
地元の若者は特に薄着で、都心を歩く格好と変わらない。
我々のような完全防備をした者がいたら、外から来た観光客だとすぐにわかる。
あの若者は、何もないのに、一体どこに向かって何キロ歩くつもりなのか、、、
日本海沿いの道に出たが、暗くて海は見えなかった。
暴風雪警報が出ていた。
暗闇に目を凝らすと、真っ暗な海に白波が立っているのが見えた。
一瞬、雪が積もっているのかと思う程の広範囲に渡っていて、なんだか少し不気味だった。
この辺りはおばこおけさラインというらしい。
この晩は新潟県に入って神林の道の駅で車中泊。
一晩中風が強くて、時折車が揺れた。
夜更けには、雪はみぞれに変わっていた。
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