ある晩、シンガポールで人気のエリアデンプシー・ヒル(Dempsey Hill)に来てみた。
ここはイギリスの植民地だった時代にイギリス軍兵舎があり、今では人気のレストランや洒落たバーなどの集まる欧米人憩いのエリアだ。
シンガポール植物園の近くにあり、日本のガイドブックにも載っている最近注目のハイセンススポットらしい。
シンガポール人の友達にブラックペッパークラブが食べたいと言ったら、「ぜひ連れていきたい店がある」というのでlong beachロングビーチというレストランへに来たのだが、ここはナント、ブラックペッパークラブ発祥の店とのこと。
この日は新型コロナの影響で中国の旧正月が延長されたため、まだ旧正月の真っ只中。
シンガポールでは旧正月には魚生(ユーシェン)というサラダを食べるのだが、シンガポールでは広東語のLo Hei(ローヘイ)で呼ばれていて、このローヘイには儀式がある。
皆でサラダの皿を囲み、箸で具材を高く持ち上げて混ぜるというのがその儀式だ。
高く持ち上げるほど幸せになれると言われており、テーブルに散らかっても気にせず混ぜる。
マナー違反ではないそうで、むしろこぼした方がより幸せになれるらしい。
サラダには、大根、にんじん、揚げたワンタンの皮、紅生姜、アワビのスライスなど沢山の具材が入っていて、その一つ一つに、日本のお節料理のように意味がある。
例えば大根には仕事や商売の繁盛、ワンタンの皮には金運、などなど。
このサラダは皆で十分に混ぜ合わせた後で食べるのだが、甘酸っぱいプラムソースが掛かっていて美味。
全て食べてしまうとお金を使い切るという意味になるため少し残しておく必要があるらしいのだが、美味しくて思わず完食しそうになる。
目当てのブラックペッパークラブはこちら👇
胡椒の効いたスパイシーな味が堪らない。
こどらは有名なチリペッパークラブが食べてみたいというので両方頼んだ。
チリペッパークラブは所謂エビチリソースの甘さを増して南国風にしたような感じの味。
揚げパンがついてくるのでソースをつけて食べる。
こうやって食べ比べても、やはり個人的にはブラックペッパークラブの方が好きだ。
もう一品、シンガポールに来たら食べて欲しいのがドランクンプロウン。
海老をお酒(多分紹興酒)で茹でたスープなのだがこれまた美味。
美味しいシーフードを堪能している最中に日が暮れた。
シンガポールは赤道直下で、日の入時刻は7時半前だ。
一旦店を出て、今度は同じデンプシーヒルの数軒隣にあるレッドドットブリューハウスRedDot Brewhouseというバーレストランへ移動した。
欧米風の洒落た店に見えるのだがオープンエアーで熱帯の木々に囲まれていて、
アジアテイストのライトと調和して独特の空間を作り上げていた。
バンドの生演奏を聴きながら、デンプシーヒルの夜は更けていった。
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