熱川温泉 高磯の湯
何度もきたことのある伊豆なのだが、熱川という地名は聞いたことはあれど、訪れたのはこれが初めてだった。
こじんまりとした熱川の町の、海辺にある高磯の湯がこの日の目的地だ。
所狭しと立ち並ぶ旅館やホテルなどの建物は朽ち果て、廃墟が目立っていた。
昭和の時代の勢いによって栄えたものの不景気には生き残れず、取り壊すのにもお金はかかるため、こうやって残された廃墟は昭和の負の遺産ということなのだろうか。
町興しに興味のある我々にとっては、この恵まれた環境でのこの状況には考えさせられるものがあったし、
3.11の復興を見てきたばかりだったから余計に、いつくるかもしれない震災に対する防災面からもまた、考えさせられるもののある町だった。
駐車場はそんな廃墟ビルの前の、海辺にあった。
陽射しがポカポカで春のようだと思ったら、なんと気温は14度もあった。
温泉は、源泉掛け流しの、伊豆ではあまり見かけないアルカリ性硫酸塩泉。
受付を済ませ、プールの脇を通り抜けて行く。
海辺にある露天、というか野天風呂で、目と鼻の先には海が広がっている。
男風呂は道から丸見えだったが、
女風呂はしっかりと見えない作りになっていて、何故か柚子が浮いていた。
男女共源泉は、写真とは違って注ぎ口からは出ておらず、とはいえどこからか流れ込んではいるようで、湯船からは掛け流しで湯が溢れ出ていた。
無色透明で無臭で主張はないのだが、肌のスベスベになるしっとりとした湯だった。
風は相変わらず強かったが、波の音を聞きながら、海を眺めて寛ぐことができた。
湯から出た後は、車の後ろを開け放してしばし休憩。
時刻はまだ11時を回ったばかりで、町も静かだし春の陽気で、こういう一時が最高に贅沢な時間なのだと再認識する。
「何もしないをする」ということが本当のバカンスなのだと思う。
我々はつい、限られた時間に追われて先へ先へと進みがちなのだが、、、
財運UP お湯かけ弁財天
少しゆっくりしているとお腹が空いてきたため、熱川観光を済ませてから先へ進むことにした。
近くにお湯かけ弁財天があり、そこでお金を洗うと財運がアップすると言われている。
海辺から散歩がてらに歩いて向かうと、まずは坂道の途中でお湯かけ七福神に遭遇した。
温泉をかけながら願いことをすると叶うらしい。
早速、温泉をかけてお参りをした。
ひもの屋と食堂がそれぞれ1軒あるくらいの鄙びた街の一角で、源泉がもくもくと煙を立てていた。
ここがお湯かけ弁財天だ。
源泉は熱すぎて触れないため、網にお金を入れて、温泉をかける。
これで財運がアップしてくれればいいのだが、、、
12時過ぎに車に戻り、熱川の町を後にした。
磯亭の海鮮ランチ
ランチは車で5分の片瀬にある、磯亭にて。
新鮮な海鮮丼とサクサクの海鮮フライ定食を頼んだのだが、どちらも美味しかった。
大きなアラの味噌汁もついていて、豪華だった。
食事の後、名残惜しい気持ちに後ろ髪を引かれつつも帰路についた。
帰省ラッシュが予想されていたことに加えて、東名で大規模な事故による大渋滞が起きていたため、
135号で海沿いの道を進み、西湘バイパスを帰ることにした。
海沿いの一本道は大抵渋滞していることが多いが、この日も案の定渋滞していた。
迂回路を回り、伊東マリンタウンの手前に出ると渋滞は解消されていたのだが、、、
真鶴道路の岩大橋で、パッタリと動かなくなってしまった。
ようやく動き出したものの、西湘バイパスを走っている間に陽が暮れた。
茅ヶ崎から圏央道に乗ると、地平線に沈んだ太陽の名残で紅く染められた空に、
富士山の影が浮かび上がっていた。
コメント