釧路に近づくにつれて雪が少なくなった。
この辺りはもともと雪の少ない地方ではある。
後からガイドさんに聞いた話によると、気温の高い日に雪が降るそうだ。
9時半に待ち合わせの塘路駅に着いた。
ここにディフェンダーを置いて、ガイドさんの車に乗り換える。
以前9月に来た際に、川縁に車を止めて朝ごはん食べたのだが、まさにその場所からカヌーに乗った。
カナディアンカヌーはバランスを崩しやすいから、腰の移動や体をずらしてはいけないと注意事項を聞いて、いざ出発。
天気は薄曇りで、気温は1度。途中で雪がちらついた。
元旦から釣り人が多く出ていて、お陰でタンチョウは逃げてしまい、見ることはなかった。
その代わり、鹿はあちこちにいた。
顔を上げてこちらの様子を伺いながら朝食の枯れ草を食べていた。
川の上は静かで癒される。
湿原の真ん中で、凍てつく空気を吸い込みながら耳を澄ましてみると、聞こえてくるのはカヌーがたてる水音だけだ。
全長2mもあるオジロワシやオオワシ、ワタリガラスが飛んでいた。
川面から、綺麗な鳴き声をあげながら飛び立つスズガモもいた。
水面近くの枝が風で揺れ、何度も水に浸ることでできるシャンデリアと呼ばれる氷ができていた。
水面は日に日に下がるらしく、氷が水に置いていかれて宙に浮いていた。
気温が低い時期には、周りの木が樹氷になっていたり、湿原から捲き上る水蒸気で幻想的な世界が見られたりするという。
釧路川から塘路湖へ抜ける細い川に入り、流れに逆らって登っていった。
この川はタンニンが溶け出た黒い色をしている。
そのせいで、水面が鏡のようになり、映り込む景色もまた綺麗だった。
陸に上がり、車で塘路駅に戻ると11時半で、ちょうど2時間程のカヌー体験だった。
寒いなか足を踏ん張っていたようで、早くも太ももが筋肉痛になっていた。
意外と体力を使うが、かなり楽しかった。
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