冬の北海道観光
昨晩からの雪のおかげで、外は白い世界に変わっていた。
とはいえ雪が深く積もっているわけではない。
国道241号から949号へ車を走らせる。
次の目的地は、前日のホテルで相談の結果行ってみることにした、近くにあるオンネトー。
四季折々に見せる表情が変わるという。
車に乗せている古い地図だとオンネトーまでは冬季通行止めになっていたのだが、辺りは圏外のため最新の情報が確認出来ない。
道路の表示には「ルワン方面通り抜け出来ません」とあったのが、ルワンはオンネトーのだいぶ先にあり、この標識だとどこまでなら行けるのかがわからない。
除雪もされていたのでとりあえず進んでみたのだが、、、
硫黄の香り立ち籠める国民宿舎で行き止まり。
ゲートが閉まり、その先には行けないようになっていた。
オンネトーまでは後2kmの距離なのだが、仕方なく来た道を引き返すことにした。
くるっと回ってルワンまで行ったら、そこから664号線をオンネトーまで行けるのだろうか。
どうも怪しい、、、
依然として電波が届かず、手元には古い地図しかないのだが、どう見てもルワンからオンネトーまでの664号線の方が道が悪い。
「ダート」と書いてあるしなあ。
とりあえず引き返してルワンへ向かおうとすると、途中に「〇〇方面通り抜けできません」とあった。
(「通り抜けが出来ない」のではなく、「〇〇から先冬季通行止め」と書いていただけると有り難いのだが、、、)
ここでようやく電波が繋がったためネットで調べてみると、
冬のオンネトーはおすすめスポットとして紹介されてはいるものの、
車では行けず、スノーシューで滑って行くらしきことが判明した。
次のスポットとして予定していた、凍結して氷の柱が出来るという裏見の滝、山彦の滝も同じだった。
スノーシューは持っていないしオンネトーと山彦の滝は諦めて、その次の目的地である、ライトアップされた青い池に向けて進むことにした。
タウシュベツ展望台
足寄町を抜け、山道を上士幌へ。
熊多発地域を抜けると、タウシュベツ展望台の看板が目に入った。
なんだか聞いたことがある。
確か冬の間は湖に沈んでしまうアーチ状の橋だったような、、、
でも今の時期は見られないからと、今回の目的地候補から外していた場所だった。
一度見てみたいと思っていたから、とりあえず車を停めて林道へ分け入り、見に行ってみることにした。
人の足で雪が固められた林道を180m進むと展望台だ。
澄んだ空気に思わず深呼吸する。
真っ白い雪が綺麗だった。
今回北海道に来てから初の、如何にも北海道らしい雪道だった。
途中で分岐があり、誰かの足跡が横にも伸びていた。
一度、坂道で勢いがつきすぎて足が道脇の雪にはまって転んでしまったのだが、比較的歩きやすい道の先に橋が見えた。
二人して展望台まで走り寄ると、真っ白な景色の中に、アーチの一部が見えていた。
綺麗だった。
展望台にあった説明書きを読んでみると、毎年1月あたりから姿を現わすそうだ。
そこからすると今年は少し早い時期から水が引き始めたことになる。
見られないと諦めていたものを思いがけずに見ることが出来て、大興奮だった。
橋の見える白い景色を存分に堪能してから来た道を引き返すと、雪道のすぐ脇に獣の足跡を見つけた。
なんだか大きくないだろうか?
男性の握りこぶし大はある。
目で追っていくと、足跡はすぐ近くにある木の根元の穴に消えていた。
まさか熊だろうか!?
思わずこどらと目を合わせ、無言のまま素早く証拠写真を撮ってから、2人揃って小走りに逃げた。
後日談だが、万一熊だったら遊歩道の近くなので大変だからと上士幌町に連絡して写真を見て貰ったところ、この足跡はエゾ鹿のものだったようだ。
穴に入ったわけではなく、倒木を乗り越えて行ったらしい。
確かに木の上にも足跡は続いているのがわかる。
良かった、、、と安堵する一方で、
あの穴に熊が寝ているかもしれない
と思ったときのあの怖さときたら。
冬眠中の熊というのは眠りが浅く、妨害されると襲って来たり、出産したメス熊の場合には子供を守るために攻撃してきたりするらしいし。
熊にはあらかじめ遭遇しないように、自然界には存在しない奇妙な音を立てて歩き (ラジオや鈴は最近役に立たなくなってきているらしい) 、
万一鉢合わせたときには目を離さずにゆっくりと後退りすると良く、急に背中を見せて逃げたりしたら危険だという。
我々、思わず走って逃げてしまったが、、、
冬眠中だから大丈夫だろうと、熊避けに用意してあった防犯ベルは車に置きっ放しにしていたが、今度からは冬でもちゃんと持ち歩こうと思った。
所々で鳴らし鳴らし歩くに限る。
ただ、、、途中で壊れて鳴らなくなった時には、急に心細くなって怖いことだろう、、、
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