何度もきたことのある伊豆なのだが、熱川という地名は聞いたことはあれど、訪れたのはこれが初めてだった。
こじんまりとした熱川の町の、海辺にある高磯の湯がこの日の目的地だ。
所狭しと立ち並ぶ旅館やホテルなどの建物は朽ち果て、廃墟が目立った。
昭和の時代の勢いによって栄えたものの不景気には生き残れず、取り壊すのにもお金はかかるため、こうやって残された廃墟も昭和の負の遺産ということなのだろうか。
町興しに興味のある我々にとっては、この恵まれた環境でのこの状況には考えさせられるものがあったし、
3.11の復興を見たばかりだったから余計に、いつくるかもしれない震災に対する防災面からもまた、考えさせられるものがあった。
駐車場はそんな廃墟ビルの前の、海辺にあった。

陽射しがポカポカで春のようだと思ったら、なんと気温は14度もあった。
温泉は、源泉掛け流しの、伊豆ではあまり見かけないアルカリ性硫酸塩泉。
受付を済ませ、プールの脇を通り抜けて行く。




海辺にある露天、というか野天風呂で、目と鼻の先には海が広がっている。
男風呂は道から丸見えだったが、
女風呂はしっかりと見えない作りになっていて、何故か柚子が浮いていた。
男女共源泉は、写真とは違って注ぎ口からは出ておらず、とはいえどこかからか流れ込んではいるようで、湯船からは掛け流しで湯が溢れ出ていた。
無色透明で無臭で主張はないのだが、肌のスベスベになるしっとりとした湯だった。
風は相変わらず強かったが、波の音を聞きながら、海を眺めながら寛ぐことができた。
湯から出た後は、車の後ろを開け放してしばし休憩。

時刻はまだ11時を回ったばかりで、町も静かだし春の陽気で、こういう一時が最高に贅沢な時間なのだと再認識する。
「何もしないをする」ということが本当のバカンスなのだと思う。
我々はつい、限られた時間に追われて先に進みがちなのだが、、、。
少しゆっくりしているとお腹が空いてきたため、熱川観光を済ませてから先に進むことにした。
近くにお湯かけ弁財天があり、そこでお金を洗うと財運がアップすると言われている。
海辺から散歩がてらに歩いて向かうと、まずは坂道の途中でお湯かけ七福神に遭遇した。
温泉をかけながら願いことをすると叶うらしい。

早速、温泉をかけてお参りをした。
ひもの屋と食堂がそれぞれ1軒あるくらいの鄙びた街の一角で、源泉がもくもくと煙を立てていた。

ここがお湯かけ弁財天だ。
源泉は熱すぎて触れないため、網にお金を入れて、温泉をかける。


これで財運がアップしてくれればいいのだが、、、
12時過ぎに車に戻り、熱川の町を後にした。

ランチは車で5分の片瀬にある、磯亭にて。

新鮮な海鮮丼とサクサクの海鮮フライ定食を頼んだが、どちらも美味しかった。
大きなアラの味噌汁もついていて、豪華だった。


食事の後、名残惜しい気持ちを残しつつも帰路に着いた。
帰省ラッシュが予想されていたことに加えて、東名で大規模な事故による大渋滞が起きていたため、
135号で海沿いの道を進み、西湘バイパスを帰ることにした。

海沿いの一本道は大抵渋滞しているが、この日も案の定渋滞していた。
迂回路を回り、伊東マリンタウンの手前に出ると、渋滞は解消されていたのだが、、、

真鶴道路の岩大橋で、パッタリと動かなくなってしまった。

ようやく動き出し、西湘バイパスを走っている間に陽が暮れた。
茅ヶ崎から圏央道に乗ると、地平線に沈んだ太陽の名残で紅く染まった夜空に、富士山の影が浮かび上がっていた。
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- 2019/01/25(金) 07:25:03|
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大室山は火山口になっていて、リフトで頂上へ上がると、一周20分程で遊歩道を回れる絶景スポットだ。

到着したのは9時前で、リフト乗り場では係員が営業開始前の点検をしているところだった。
昨晩から吹き荒れていた風はおさまらず、この日も強風だった。
9時になりチケットを購入したのだが、買う前に
「山頂は強風ですが、宜しいですか?」
と聞かれた。

強風が酷くなれば全員地上に戻し、リフトを止めることになるようだ。
リフトには2組目に乗り込んだ。
二人乗りで、強風に煽られ、結構揺れた。

斜面は急で、高所恐怖症のコドラは後ろを振り返らないようにしていた。
頂上に着くと、踏ん張らなければ体が吹き飛ばされそうな、見事な強風が待ち構えていた。
景色は抜群で、富士山が見えた。

火山口に降りるとグランドになっていて、風が弱ければアーチェリーができるようだ。

二人ともダウンジャケットを着ていたため、突風に押されて山から転げ落ちてしまいそうな怖さすらあった。
試しに、風の吹く方に手を広げて体を傾けてみると、マトリックスのようになるため遊んでいたのだが、コドラは怖がって帰りたいと言う。
せっかく上がってきたのだからと言い含め、強風に煽られながらも一周することにした。

遊歩道には火山口側にも山の斜面側にも手すりはなく、普段であればそれ故に風光明媚なのだろうけど、強風の中では少し心許なかった。

駿河湾には強い陽射しが反射していて、サングラスを持ってこなかったことを後悔するほど眩しかった。
海と空の境が光のせいでわからなくなっていて、その光の中に伊豆諸島が浮かんで見えた。

兎にも角にも息をするのも大変なくらいの強風で、
地上に降りて風が緩んでも、しばらくの間は風に押されている感じがして、平衡感覚もおかしくなっていた。
大室山で貴重な強風体験をした後は熱川の温泉だ。
海沿いの道を南下する。

ライオン岩と言われる岩が伊東の観光スポットに挙げられていたのだが、この岩のことだろうか。
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- 2019/01/24(木) 07:22:38|
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2019.1.4
夕方に家を出た。
気温は10度、天気晴れ。
まだ3日残っている正月休みを満喫しに、伊豆へ向かうことにした。

16時頃海老名を通過すると、反対車線が大渋滞していた。
御殿場では2kmの渋滞情報が出ていたが、我々は手前で小田厚道へ逸れた。

海に突き当たってからは、予想はしていたが渋滞だった。
それでも進んではいたため、そのまま海沿いを南下して伊東を目指した。

途中で陽が沈み、目的地の道の駅、伊東マリンタウンには暗くなってから到着した。
ここはいつも混雑している人気の場所だ。
車中泊のメッカになっていて、夜でも車が沢山停まっている。
前より更に増えたような気がしたが、正月休みだったからだろうか。
この晩は我々もここで車中泊。車内のカーテンをはり、寝る準備を整えてから夕食へ。
我々がよく行く1階のお寿司屋に入り、地魚の握りと、肴を数品頼んだ。


この日の地魚は、ぶり、カマス、アオリイカ、ウズワ、タチウオ、マンボウ、メダイ、サワラ、生しらす、桜えび。
東北や新潟の冷たい海で捕れた魚介を食べてきた後だったせいなのか、
今回はあまり、流石の伊豆感は感じられなかった。
車に戻って翌日のプランについて話した。
海の幸と泉質の良い温泉が目的だから、始めは伊豆で海の幸を食べてから、静岡の寸又峡温泉まで行こうと思っていた。
ただ、最近コドラがあまり車を運転出来ていないため、
この休み中にボロ (我が家のもう一台の愛車でボルボC70。中古で至る所がボロボロなので通称ボロと呼んでいる) でも出かけたいという。
今回は寸又峡まで足を伸ばしてもう一泊するのはやめにして、翌日の土曜日に伊豆を回ってから帰ることにした。
我々何度も伊豆には来ているが、まだ知らない場所があるに違いない。
この晩は早めに就寝して翌朝に備えることにした。
夜になって急に強風が吹き始め、車体がガタガタと揺れた。
2019.1.5
朝6時前に起床。
併設された温泉施設の朝風呂に入ることにした。
単純温泉で特徴はないが、浴室から日の出を見ることができる。
辺りはまだ暗かったが、湯に浸かっているうちに太陽が水平線から顔を出した。
さっと温まり、身支度を整えてから食堂へ。
以前は朝食とセットで1000円だった気がしたのだが、今は朝湯と朝食代で一人1200円くらいの計算になる。
干物セットと卵かけご飯セットを食べた。


伊豆の干物は安定の美味しさで、卵もこだわりの美味しい卵だ。
外に出ると、朝陽が眩しく輝いていた。

駐車場には車中泊明けの車がビッシリと並んでいた。

車の中でこの日の行き先を探した結果、伊東にある大室山に行って、熱川の海辺にある温泉に立ち寄ってみることにした。
出発しようとした時に、空に地震雲のような異様な形をした雲を見てギョッとしたのだが、
徐々に崩れて形を変えていったので、地震雲ではなかったようだ。
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- 2019/01/23(水) 07:25:28|
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野沢温泉を下り、飯山ICを目指す。
天気は眩しいくらいの晴天で、気温3度。


雪が日本の田園風景を覆い隠し、一瞬、どこか外国にでも来ているかのような錯覚を覚える。
この日は元旦。
コドラ両親宅のある、上諏訪がこの旅の最終目的地だ。
飯山から東部湯の丸まで高速で行き、そこからビーナスラインを抜けて諏訪湖へ降りることにした。
到着予定時刻は14時で、一般道に降りてからは食べるものがないかもしれない。
高速の途中にある小布施ハイウェイオアシスで、早めの軽食を摂った。


東部湯の丸からは県道166号を進み、立科へ抜ける。
車のナビもGoogle MAPのナビも、ことあるごとに大きな街道を進ませようとする。
その誘導にひたすら逆らい、惑わされることなく40号を突き進む。

女神湖では、凍結した湖面に人がつけた足跡が続いていた。

暖かな陽射しに車内が暑くなり、涼しい風を取り込もうと窓を開けると、雪が少ないせいか爽やかな草の香りがした。
白樺湖を抜け、ビーナスラインを走り、車山、霧ヶ峰を抜ける。



今年最初の富士山が見えた。

スキー場には人工雪が敷かれていた。
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- 2019/01/20(日) 20:05:36|
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野沢温泉は古くからある、誰もが知っている有名な温泉街で、スキー場もあるため賑わっている。
路は狭く、建物が密集しているため、温泉街の外れにある有料駐車場に車を停めて、温泉に入りに行くことになる。

前回訪れた時には新しい日帰り温泉施設に行ったのだが、今回の目当ては共同風呂だ。
温泉街の外れにある、共同浴場にしては比較的湯の温度が低いらしき、熊の手湯に行くことにしていた。
駐車場裏の階段を降って上の道に出ると、またもや氷に覆われ、ツルツルと足元の滑る道だった。
そんな氷の坂道を慎重に下って、温泉街へ少し入り、宿の数軒立ち並ぶ一角に熊の手湯共同浴場があった。
木が新しく、野沢温泉の共同浴場も、新しく建物が建て直されているようだった。

入浴料はないのだが、お賽銭を箱に入れて建物に入る。

中にはトイレもなく、すぐに浴室。
服を脱ぐ場所にはすのこが敷いてあり、浴室との間仕切りはない。
時刻は9時半を回っていて、
その時間のせいなのか空いていて、貸切状態だった。
湯はアルカリ性の単純硫黄泉の掛け流し。
小さな浴槽が二つあり、ぬる湯とあつ湯に別れていた。

どちらも熱めではあるが、あつ湯ですら火傷しそうな熱さではなかった。
肌触りは柔らかく、硫黄の香りが充満していた。
洗い場すらないような、
湯に浸かるだけで他には何もない場所だったが、
あつ湯好きの我々にとっては堪らなく良い湯だった。
共同風呂の目の前には源泉を引いた場所があり、温泉卵が作られていた。

近くには共同風呂のような作りの洗濯場があったが、今でも使われているのだろうか。

この辺りは町外れで、スキー客が出払った時間帯だったせいもあり、ひと気が無くのんびりと散策出来たのだが、
大湯の方へ行くと、観光客、取り分け外国人観光客だらけだった。
大湯も建物が新しく建て替えられていて、中も覗いてみたが、狭い中で沢山の人が入浴して賑わっていた。

この付近では英語の看板が目立ち、洒落たカフェやバーなどがあって、欧米人らしき観光客が目立った。
珍しかったので、1軒のカフェに入ってみた。

ヨーロッパのスキーリゾートにでもあるような洒落た店内には、外国人の店員さん達が働いていた。
ホールに2人だけ日本人がいたが、帰国子女か留学経験者のような感じだった。
お客さんも日本人より外国人の方が多かった。
一瞬海外にでも来たのかとわからなくなるような国際色豊かな雰囲気だった。
コーヒーの値段はスタバくらいで、出てくるまでに少し時間がかかったのだが、ラテアートが施されていた。
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- 2019/01/20(日) 15:02:18|
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2019.1.1
朝7時起床。気温2度。

日本海側は生憎のみぞれの天気だった。
日の出時刻は過ぎていたが、前日の天気予報を見て、初日の出ははなから諦めていた。
今回の旅で、共同浴場にハマり始めていた我々は、コドラ両親宅に向かう途中にある野沢温泉に立ち寄ることにした。
身支度を整えて出発すると、進むに連れて空が晴れてきた。

2019年の初日の出は、雲の上に顔を出したところを高速から見ることになった。

アルプス山脈がクッキリと浮かび上がり、新潟の大きな除雪車が2台出動していた。

山からは朝霧が立ち昇り、ところどころが白く霞んでいた。


高速道路脇の木々は、付着した霧が凍りついて樹氷と化していた。

雪は少ないものの、陽の光に照らされた、キラキラとした銀色の小さな反射が目に眩しかった。
妙高SAで朝定食を食べた。



車中泊の朝で唯一困るのは元旦だ。
普段なら気にならないコンビニの朝ご飯も、流石に元旦の朝には侘しい気持ちになる。
やはり大晦日に高速に乗ったのは、朝ごはんの面からも正解だったと思う。
今回は年末に自宅に戻り、御節を持って初日の出を見に出かける予定だったのだが、結局旅を続けてしまった。
野沢温泉に行くには、飯山で降りて一般道を進む。
長野も氷点下5度と極寒だ。
川からは白い煙があがり、幻想的な景色が広がっていた。


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- 2019/01/18(金) 07:38:32|
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国道116号を南下しながら、良さそうな道の駅を探した。
なんといっても大晦日だから、山の中など人里離れたさみしい場所は避けたかった。
ただでさえ今回の東北旅行中、車中泊組みは少なかったし、大晦日となれば尚更 稀になるだろう。
それにつけても我々、今年は家で年越しと思っていたのに、大掃除もやらず終いで、結局車中泊を続けている。
もはや大晦日の車中泊は我が家の定番になりつつある。
いくつか道の駅がコンスタントにあったのだが、なかなか大晦日の夜に相応しい場所は見つからず、結局柏崎市から高速に乗ることにした。
たまに立ち寄る米山SAで、平成最後の年越しとなった。

大晦日は人の気配がある方が良いから、その選択は正しかったと思う。
車中泊組みも2台くらいいたが、ドライブなどで立ち寄る車の出入りもあった。
大寒波の名残りなのか、時折強風で車が揺れた。
2018年最後の晩餐は、新潟で買い込んだお寿司、牛の叩き。
さすが新潟、お寿司は見事な寿司ネタで、大きさもあるが、どれも新鮮でプリプリ。
貝はコリコリで、たまに生臭い場合のあるサーモンも、脂は乗っているのに一切の臭みもなく、甘くて美味しかった。

さすが日本海、さすが新潟。
数年前の大晦日に、納沙布岬近くのスーパーで晩餐用に買い込んだお寿司も絶品だったし、
やはり海沿いの街のお寿司はレベルが高い。
2人では少し多いかとも思ったのだが、ペロッと完食してしまった。
車内で紅白を流しながら、旅の写真を見たりしてゆっくり寛いだ。
この辺りの気温は4度と寒さも緩んだが、20時半過ぎには雪が降り出した。
18時半から宴会を始めた我々だったから、朝も早かったこともあり、年越しを待たずに22時過ぎに就寝した。
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- 2019/01/17(木) 08:38:08|
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2018.12.31
2018年最後の日の朝一のお風呂は旅館にて、
雪雲に覆われた空の一部が桃色に色づき始め、雪のチラつく中での優雅な朝湯だった。
朝ごはんも美味しかったし、一年の締めくくりに相応しい1日の幕開けとなった。
問題はこの後だ。
元旦にはコドラ両親が今住む長野の上諏訪に行くことになっているから、道中のどこかでこの年最後の車中泊をすることになる。
せっかくなら雪の中での車中泊がしたいし、新鮮な海鮮も食べ足りない。
山形から上諏訪に行くには、東北道に出て下るか、新潟に出てから南下するかのどちらかだ。
我々は迷わず日本海に出るルートを取ることにした。
アプリの道の駅ガイドで日本海沿いにある道の駅の営業時間と、昼食に海鮮が食べられるかを調べ、
営業時間が違っていることが多いから、念には念を入れて電話で確認もした結果、
新潟市にある道の駅、ふるさと村を目指すことにした。
経験上の鉄則から、大晦日の晩餐用の食材を確保するには海辺の栄えた街に行くに限る。
新潟市なら何かあるだろう。
まずは113号線で小国から関川へ抜ける。

真っ白な雪の中で電車と並走した。

関川で気温は1度まで上がり、降る雪はヒョウに変わっていた。
新潟県に入ると雪が少なくなり、高速に乗ると久しぶりに乾いた道を走った。

気温はさらに高くなり、4度。
晴れ間から陽が射してきた。
どうやら寒波は過ぎ去ったようだ。
新潟ふるさと村という道の駅は、今まで訪れた道の駅で一番栄えていた。
街中にあり、広い駐車場はほぼ満車、敷地内には人が溢れていた。
道の駅というよりもはや、ショッピングモールのようだった。
我々はまず、二階の寿司屋に向かい昼食を食べた。
待望の海鮮。
新鮮で美味しいちらし寿司で大正解だった。

時刻は2時前と、ランチの時間はとうに過ぎていたせいか、入ったときには我々の他に客はなかった。
そこへ1組の夫婦が幼児を連れて入ってきたのだが、
「お寿司が食べられないので別のメニューはありますか?」
と店員さんに聞いていて耳を疑った。
耳をダンボにして成り行きを見守っていると、店員さんはその夫婦に、となりの蕎麦屋のメニューを渡し、
しばらくして隣の蕎麦屋から蕎麦の出前が届いたため、2度ビックリ。
夫婦は明らかに日本人だったのだが、新潟ではこういったことは珍しくないことなのだろうか。
お寿司屋で隣の店の蕎麦を食べる、、、
少なくとも我々にとっては初めて見る不思議な光景だった。
食事の後で一階にある魚屋を覗くと、広いスペースに沢山の魚が並べられていた。
大きなネタのお寿司があったため、大晦日の晩餐用にいそいそと買い込み、氷と一緒にアイスボックスへしまい込んだ。
近くのスーパーでシャンパンとローストビーフも買って、2018年最後の晩餐の準備はこれで整った。
あとはこの晩の温泉をみつけて、車中泊スポットへ移動するだけだ。
温泉は、道の駅から40分くらい走った場所にある、多宝温泉だいろの湯に決めた。
ひと区間だけ高速に乗った。
着いてみると広い駐車場に車が所狭しと停められていた。

一瞬迷いはしたが、時間に余裕もないし、ものは試しに入ってみることにした。
入浴料は1人800円。貸し出しのタオル付き。
受付にも長蛇の列ができていた。
施設は広く、内湯、半露天、露天の3箇所が、それぞれ異なる源泉の掛け流し。
どれも塩化物泉で、茶色がかった透明な湯は硫黄の香りがした。
中でも半露天の湯は、硫黄と石油が混じった匂いがして、肌触りは柔らかく、なかなか良かった。
ただ、何しろ混み過ぎていたし、子供達がはしゃいで走り回っていたため、寛ぐことは出来なかった。
なんだか見覚えがあったもののブログを検索しても出てこなかったのだが、どうやら以前、ブログを始める前に来たことがあるようだ。
少し先にあるサクラの湯は入浴料1000円と高めだったが口コミは良さそうだったし、その更に先にある国上の道の駅にも温泉があり、そちらは入浴料500円と、この辺りには温泉が点在していた。
ゆっくり出来なかったし、他に行った方が良かったかね、などと話しながら先に進んでいると、
肌がツルすべ!久しぶりの陶器肌になった!
とコドラ。
肌に残る硫黄の匂いも良く、体はポカポカ。
泉質が良かったのは間違いないようだった。
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- 2019/01/16(水) 08:03:51|
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12月30日の夜は山形の小野川温泉の河鹿荘に泊まることにしていた。
小野川温泉は小野小町ゆかりの温泉だ。
街には上杉謙信を祀る上杉神社や、近くにはスキー場がある。
尼湯という共同浴場もあったが、今回は立ち寄らなかった。
宿に着き、ロビーのソファーでアツアツで美味しい玉こんにゃくを頂きながらチェックインを済ませたのは午後4時。

宿は古いが所々改装されていて、所謂 昭和の香り漂う旅館だった。
我々の部屋は二間続きの角部屋で広かった。

窓には氷柱が垂れ下がり、庭の池は凍っていた。

お風呂は男女入れ替えで、一階と二階に別れて2箇所あり、二階の湯には露天があった。
この旅館の湯は塩化物泉の掛け流しだ。
貸切風呂は予約制なのだが、当日は既に埋まっていて、翌朝8時半からを予約した。
少しゆっくりしてから夕食前に軽く温泉に浸かった。
湯は柔らかく、硫黄の香りがした。
夕食はなんとも豪華で、前菜から全てが美味しかった。

エシャロットの生ハム巻きが美味しくて、自宅でも真似をしたいと思った。
本来あまり好きではない煮物も美味しかったし、お米がポップコーンのように弾けた稲穂揚げが見た目も印象的だった。

美食には地ビールと地酒がよく合う。
我々の食事は米沢牛三昧のコースで、しゃぶしゃぶとステーキ、ローストビーフ付き。
やはりなんといっても米沢牛が美味だ。



米沢牛とはこれらの↓条件をクリアしたブランド牛で、

脂がとける、柔らかくて甘い肉だった。
山形米のご飯もツヤツヤで美味しかった。

量が多く、デザートまでは食べ切ることはできなかったが、食事の最後には和栗のババロアが出てきた。

お風呂は夜8時に男女が入れ替わるため、寝る前にもう一方の湯舟に行って、テレビで年末の歌番組を見てから就寝した。
この日1日で温泉に入った回数は五回と、過去最多記録になった。
2018.12.31
夜の間に雪が降り積もっていた。

起き抜けに温泉に入って身支度を整え、7時半に朝食を食べた。
夕食と同じ会場でバイキング形式だった。
和食が中心で、山形名物も揃っていた。


この宿は食べ物が美味しかった。
帰りかけた時に女将が挨拶に来てくれたのも、旅館ならではのおもてなしを受けた感じがしてとても良かった。
女将の話によれば、今年は雪が少なく、豪雪地帯なのにどうなるのやらと心配していたところ、年末の2週間でようやくここまで降り積もったのだという。
食事の後ロービーでコーヒーの無料サービスがあり、少しゆっくりしてから、8時半に予約していた家族風呂に入り、10時半前にチェックアウトを済ませた。
外の離れに小屋があり、足湯と飲泉があったのだが、なんとも趣きがあった。


飲泉の味はしょっぱく、不味かったが、お腹や健康に良いという。
女将や仲居さんが手を振って見送ってくれる中、宿を後にした。

この宿は仲居さんに外国人が多かったが、外国からの観光客も多いのだろうか。
何より食事の美味しい宿だった。
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- 2019/01/15(火) 07:15:57|
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高速を降りて、この日3箇所目の共同浴場、鯖湖湯へ向かう。
一般道には除雪車が入っていないようで、車の往来で自然に出来た雪の凸凹が酷く、林道よりも揺れた。
陽に当たって溶け始めているし、どの車も滑りながら、雪の凸凹にタイヤを取られながら、ゆっくりと走っていた。

隣にある1時間100円の有料駐車場に車を停めて、鯖湖湯へは歩いて向かった。
建物はいつの間にやら建て直されたようで、綺麗な木造に変わっていたが、昔ながらの趣は残っていた。


入浴料は1人200円。
アルカリ性単純泉で黒い湯の花が浮き、若干の硫黄臭がした。
サッパリした湯だが、個性はあまりなかった。

男湯は熱くて火傷するかと思ったのだが、女湯は水を入れてしまっていて、普通の温度になっていたそうだ。
最近増えた観光客用に42~3度を保つように、と注意書きが書いてあったのだが、
熱いのが嫌な人はそもそも来なければいいのに、とコドラ。
共同温泉はアツアツが魅力だから、それを期待した分残念だったようだ。
湯から上がり、今度は国道13号を西へ向かう。
この晩の宿の小野川温泉までは約1時間の距離だった。
気温氷点下2度の中、再び雪の中へ走り出す。
風が強く、雪が軽いため空に舞い上がり、視界が白くぼやけて見えた。
ようやく前が見えたと思ったら、前の車は雪に覆われ、ナンバーどこらかブレーキランプすら見えなくなっていた。
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- 2019/01/14(月) 09:14:59|
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